城で思いの外体力を使ったので、いい感じにお腹が減ってきた気がする。と思っていたら、夫も同じことを思ったようで「アサヒに行ってみんか」と言うので、よっしゃと。コトリもアサヒも10時にオープンして14時とか15時には終わってしまうので、小食の私にはハシゴは難しく、今回は諦めていたのだが、城のおかげで両方食べられそうだ。ありがとう、松山城。ちなみに、お腹が減っていなかったら、子規記念博物館と坂の上の雲ミュージアム(ドラマを見ているので)に行く予定だった。子規よりも、司馬遼よりも、うどんを選んでしまった。でも悔いはない。
アサヒはコトリよりは少し大きい通りに面したところにあるけど、店構えはどっちも似た感じ。古いけど、清潔感があるので、古くささよりかわいらしさが先に立って味がある。入店したのは14時少し前。先客が1組だけで、人気店といえども、平日のお昼過ぎだとこんなものか、空いていてラッキーと思ったら、私たちが座った後から、どんどんお客がやってきて、出る頃にはテーブル席はほぼ満席になっていた。すぐに座れてラッキーだった。

コトリはうどんといなりだけだけど、アサヒは各種ジュースも売っているのと、メニューに卵入りも並んで載せているところが、ちょっと違う。ちなみに、卵入りは70円増し。
昔の小学校の机と椅子のような雰囲気の、木のテーブルと机が並ぶところと、奥に畳敷きの小上がりがあるところはコトリと似ているが、こちらの方が広い通りに面しているからか、店内は若干広く、コトリにはない2人専用の小上がりといった不思議スペースもあった。昭和22年創業で、内装はあまり変えていないそう(コトリは昭和24年創業)だけど、掃除が行き届いていているからボロさは感じなくて、外観同様レトロ可愛い雰囲気だ。あんまりバシャバシャ写真を撮るのが苦手なので、目の前の貼り紙だけ1枚撮った。

うどん2つといなり1個を注文。コトリと同じく、椅子に座ってから注文し、商品と引き換えに現金払い。注文の際「確認します、卵抜きでいいですね」と念押しされたので、卵を入れる人が多いのかなと思ったら、確かに卵入りで頼む人は多い感じだった。
うどんが出てくる時間はやっぱり早くて、こちらもアルミ鍋で出てくる。コトリはパイ皿みたいなのに乗っけて出すが、アサヒは熱々の鍋をダイレクトに机に置く。当然、テーブルは鍋を置く場所だけ塗装がはげている。蓋を開けると、コトリとは見た目から大きく違っていたのに驚いた。具(練り物)が多く、揚げも大ぶり、お肉も量は多くないが1切れは大きめで、汁は茶色で少し濁っている。
汁をすすると、甘い。この辺のしょうゆは九州と同じく甘いそうだけど、それだけじゃなくて砂糖を加えているかなと思った。それくらい甘い。練り物が多い分、汁も心なしかこってりしており、これは卵との相性が良さそうだなと思った。印象深かったのは麺で、ちょっと福岡っぽいというか、コトリよりも若干つるっとした食感で、食べ進めるごとに汁を吸ってもちもちになっていくところも、とてもおいしかった。

いなりずしは、コトリと似ていて、塩気のない、さっぱり味。このさっぱりさが、うどんの合間に食べるのにすごくいい。あと、テーブル備え付けの一味入れがレトロ可愛くて、すごく欲しいと思ってしまった。

それにしても、戦後2~4年に始めた2店が、味や店構えをほぼ改変しないまま今も続いていること自体がすごいことだし、こんな近隣でほぼ同じ形態の店なのに、ここまで味が違う2店がずっと続いてきているというのが、またすごい。気分で使い分けられる近所の方が羨ましい。

折角松山に来たのなら、コトリでもアサヒでも使っていたアルミのうどん鍋を是非買って帰りたいと思っていたのだけど、私は当初、ちょっと街中のスーパーの台所道具コーナーとかお土産屋さんとかを覗けばすぐに買えると思っていたら、どうも違った。夫はわざわざ松山三越のおしゃれ台所道具を売っているコーナーの店員にも聞きに行ったけど、「存じ上げません」といわれていた。朝から観光地をいくつか回って少し思ったが、松山の言葉は愛想がない喋り方(朴訥ともいうのか)が基本な感じがする。
あれこれ検索していたら、アサヒから歩いて行けるところにある来島金物店という金物屋で買えるようで、行ってみたら、ちゃんとあったので喜び勇んで2個買う。16センチと18センチがあって、コトリの女将さんが「うちは16センチを使っている」と言っているのを動画で見たので、16センチで。16センチは1個900円、18センチは1,000円。検索している最中に見た情報だと、10年ほど前はその半額だったらしい。
金物屋は雑然としており、店と言うより長年放置された物置と言った体で(なので、最初てっきり廃業してしまったのかと思ってうろたえてしまい、お店の写真を撮り忘れた)、薄暗い中で店主と近所のおじさんが普通に茶飲み話していたのだけど、声を掛けたら快く対応してくれたので良かった。16センチの鍋を出したら、おじさんは「こまいほうでええのんか」と言ったのだけど、夫はそれを聞いて、私がちゃんと聞き取れたのか少し心配したらしい。でも大丈夫。「こまい」はわかる。「小さい」だよね。夫は九州の方言かと思っていたらしいけど、調べると関西全域で使う言葉らしいので、私でも分かるのは当然だった。
このあと、バスで最後の目的地である伊丹十三記念館へ向かう。
ここまで書いて疲れたので、続きはまた後で。