松山に行ったらやりたいことといえば、まずは「道後温泉に入りたい」だけど、もうひとつが「鍋焼きうどんを食べたい」だった。随分大昔に、松山には戦後すぐにできた鍋焼きうどんの店があって、今でも残っているのが「ことり」と「あさひ」の2店…と紹介する雑誌記事を読んで、それ以来、機会があれば行ってみたいなぁとずっと思っていた。多分、15年くらいにはなると思う。私にはそういう感じで、いつか行ってみたいなぁ…と思いつつ、10年、20年経ってしまった、というところが結構ある。
うどんを2店ハシゴするのはお腹的に無理そうなので、どちらかというと「ことり」に行ってみたかったので、そちらへ。また路面電車で大街道まで行って、そこから大街道のアーケードを歩き、そこを抜けて銀天街というアーケードの脇道の、さらに脇に入った小道にある。そういえば、大街道のアーケードはものすごく道が広くて歩きやすかったのだけど、飲み屋とチェーン店が立ち並ぶ中でひときわ目立ったのがカラオケ屋。しかも大箱が何店もあって、そんなに松山の人はカラオケが好きなのだろうか、と思ってしまった。
それはさておき、ことり。全国的に有名なお店だと思うけど、たたずまいはひっそりしている。


たまたまお客が切れたタイミングで入ったらしくて、テキパキした女性がすぐに入り口近くのテーブル席に案内してくれた(あとで知ったが今の店主さんだった)メニューは鍋焼きうどんといなりずししかないのは知っていたので、座ってすぐにうどん2つにいなり1個を注文する。すぐにいなりが出てきて、あとで来るうどんと引き換えに現金で支払いですと、会計を告げてトレイを机の上に置く。テキパキと流れるようなオペレーションが鮮やかだ。
うどんは3分も待たないうちに出てきた。熱いですからといいながら机に置かれる。そこで支払いを終えたら、後は食べるだけ。

カンカンのアルミ鍋に入っているのだから熱いに決まっているのだけど、食べられないほど熱いわけではなくて、ちょっとフーフーしてからすすればいい塩梅。具は、刻み揚げ、甘辛く炊いた牛肉煮、薄い蒲鉾2枚、薄い玉子焼き1枚、青ネギ。汁はいりこの風味を強く感じる透明なおだしなのだけど、食べ進むにつれて、具の味が溶け出してきてまろやかな味わいに変わってくる。うどんは柔らかくて端切れのあるあっさりした味わいの麺だけど、中盤から汁を吸ってふんわりしてくる(でも、ぶちっとは切れない)のが、またいい感じ。すごくおいしい。
有名店なのでちょっと検索すると色々な取材記事が読めるのだけど、それによるとおだしは利尻昆布といりこで取っているそうで、色を見るとかなり濃い。そこにこの店専用に作って貰っているしょうゆ、継ぎ足しで作り続けている特製タレを加えているとのこと。確かにこの汁、すごくおいしかった。

せっかくなので、いなりずしも食べたけど、これもおいしい。よく甘めと表現されているけど、私には塩気のない味というのが最初の印象。揚げも薄味だし、酢飯はすし酢じゃなくて甘酢で作っているのかなという感じの、ほんのり甘酸っぱいさっぱり味で、うどんの汁を引き立てる味という感じだった。

壁にあるメニューには、うどんといなりずししかないけど、卵入りを頼むこともできる。うどんは750円、いなりずしは2個300円だけど1個から頼むことができる。卵入りは+50円で、生卵がポンと乗る感じで出てくるみたい。あと、後でお店のInstagram見て知ったんだけど、この可愛いアルミ鍋もお店で売っているそうで、1個1,200円とのこと(その情報を知らなかった私は、この後、地元の金物屋を探して、そこで買いました)。
お客の中には韓国からの観光客かなという感じの人も多くて、そういう雰囲気の人には1枚ペラのメニューを出していました。なので、あんまり気負わず行っても大丈夫そう。それにしても、のれんが可愛い。

温泉、うどんと制覇したら、次は城だ。城はそれほど興味があるほうじゃないけど、せっかくだから松山城に行こうということで、銀天街を抜けて、大街道を戻って、城へ向かう。その前に、大街道脇にある松山三越にちょいと寄ってみたけど、建物はなんか凄かった。一瞬、ギャラリーラファイエットみたいだなぁと思ってしまったが、それは褒めすぎか。

夫は最初、いくつかある登城道から歩いて天守エリアに行こうとしていたのだけど、私が強硬に反対してロープウェーを使って行くことに。ロープウェーと並行してリフトもあったけど、それも断固拒否して、ロープウェーで。

ロープウェイ乗り場の脇にあった、よしあきくん。初代城主、加藤嘉明がモデルとのこと。でもこの人、ここをステップに会津に行ってしまうんだよね。

ロープウェイがあるからといっても、こういう名所旧跡はロープウェイを降りた後に、もう一山あるのがお約束で、松山城も結構登り坂がありました。ねー、だから、ロープウェイで行けるところまで行って良かったでしょーと、何度も夫に言ってしまう私。この案内板には、「天守まで530メートル」とあるけど、勾配には触れていない。それが危険なのだよ。



ぜいぜいしながら天守エリアに到達。広い踊り場のような広場が広がっていて、遠足とおぼしき児童生徒が大勢で弁当を食べていた。

松山城は現存12天守のひとつだけど、天守に至るまでの石垣や門もよく残っていて、トータルですごく「城」を体感できる建物だと思う。今まで行った城の中でも、かなり上位に楽しかった。中でも、天守2階からの景色は最高に良かった(逆に最上階の3階からの景色がなんとなくパッとしなかったのは何故なのか)。
しかし、どの城に行っても思うけど、城の階段は辛い。階段というか、ほぼハシゴのような階段を何階も上がったり下がったりするのは相当辛く、もう城に行けるのもいいとこあと10年くらいかな、とふと思った(翌日は太ももの内側とかすねの外側、上腕など、普段なら起こりえない箇所に筋肉痛が発生した)。この上り下りがあまりにも過酷で余裕がなく内部の写真はほぼ撮っていないのだが、今考えると撮っておけば良かったと少し思う。海外からの旅行者は自撮り棒を持ちながら歩いている人もちょいちょい見かけたので、YouTubeで「matuyama temple」などと検索すると、いろいろ面白い写真が見られるのかもしれない。
あと、この日は児童生徒諸君が非常に多い日だったのだけど、やっぱり男子児童ってのはなんともおかしくて、階段でつっこけやすい箇所なんかあったりすると、「そこ、油断するなよ」「油断するなよ」「油断するなよ」って、ずっと伝言ゲームみたいに口伝えしながらみんなで降りていたりして、昔のギャグアニメなんかで描かれているような感じの振る舞いを、今の子もしているんだね、なんて思ったりした。

天守を出て、広場の東屋で、一六タルトを食べて休憩する。私は森永キャラメル味というのを食べてみたが、中の柚子餡をキャラメルソースのようなものに置き換えているのかなと予想しつつ食べたら、キャラメルソースと柚子餡を巻いたもので、キャラメル味でありながら、ほんのり柚子が追いかけてくるという不思議な味わいだった。ただ、喧嘩はしておらず、不思議とおいしいのが、なんとも不思議。

帰りも当然ロープウェイで降りた。夫は、興味本位でリフトに乗って降りたが、後で聞いたら、ものすごく揺れて結構怖かったとのこと。そうだろうなぁ、私は絶対無理。写真はロープウェイから撮影したもので、4分ほど先に夫はリフトに乗って出発しているのだけど、やっぱりロープウェイのほうが圧倒的に早かった。

疲れたので、続きはまた後で。